これを描きたい、という創作のモチーフが見つかり、初期衝動が始まったらアーティスト
2020年8月23日 (日)
ここは美術館の一室。
高い天井、見学者は自分だけ。
デンマークの王立美術館の中である。
2012年にはじめて訪れた時、この絶妙に並んだ額縁に感動してしまう。
額縁が頭の上から迫ってくる、何かが私の脳内ではじけた。
「フレーム」が自分の創作のモチーフとしてインストールされた瞬間。
帰国してすぐに、まだ時差ボケのフラフラ状態のまま、新宿三丁目の世界堂に立つ。
消しゴムはんこの材料とインクを買い、帰宅してすぐにカッターや彫刻刀に向かう。
あの美術館の額縁の世界を、モレスキンのスケッチブックに再現した。
ミニチュア世界を作るのも、均等に配置するのも、記憶の箱庭にするのも、
実に日本人らしいコンポジションだと、あとからわかった。
そのときは、
夢中でハンコにインクを押し、手を汚し、モレスキンに向かった。
デンマーク旅行の思い出シーンをはめた、この作品の発表をきっかけにして、旅行雑誌の連載が決まり、そのまま紙面で特別に掲載される。創作の初期衝動は、人生を180度変えてしまうパワーを持つ、天からの贈り物。最近何かを作りたい気分のあなたにも、きっと何かが降りてくる。
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