10年ぶりの個展「記憶の結晶」を終えて — 感謝と、新たな広がりへの手応え
2025年10月 8日 (水)
2025年9月5日(金)から7日(日)の3日間、東京・馬喰町のギャラリーで開催したハヤテノコウジの個展が無事終了しました。実に10年ぶりの個展開催で、70名を超える方にご来場いただきました。心から感謝申し上げます。今回の個展を終えて、私が感じたこと、そして成功の裏側について振り返ります。
創作の喜びが伝わった!来場者の反応と展示の手応え
会場全体に並べたのは、私の代名詞である「スケッチジャーナル」、特に120ヶ月分のマンスリージャーナルを軸に、アクリルマーカーのキャンバス作品、万年筆による北欧スケッチ、そして8B鉛筆の街歩きスケッチなど、「絵を描く楽しさ」が伝わることを意識したラインナップでした。
多くの方が作品をじっくり見てくださり、そして私と話す機会を楽しんでくださったことに、まず大きな喜びを感じました。
アンケートでは90%以上の方が「感動した」と回答してくださり、いただいたコメントは、この10年の活動の大きな励みとなりました。
「マンネリ化した自分の創作を変えるヒントがあった」
「アートに刺激を受けて、自分でもやってみたくなった」
「作品数とアイデア、エネルギーに圧倒された」
来場者の方々が知的好奇心と創作意欲を刺激されている様子を間近で見られたことが、何よりの手応えです。私の作品を通して、「自分もやってみたい」と感じていただけたなら、アーティストとして最高の幸せです。
新たな広がり:「スケッチジャーナル」は次のフェーズへ
今回の展示で、特に印象的だったのは、私の活動が新たな層へ届き始めているという確信でした。
ハヤテノコウジがスケッチジャーナルをゼロから始める方のために書いた本、「スケッチジャーナル ビギナーズ」。ここで紹介した創作の手順で、それぞれの個性的なマンスリージャーナルを仕上げた方が何人もいらっしゃって、実物の作品を見せてくれたのです。また、今回の個展の告知で初めて私を認知し、会場にてスケッチジャーナルの本を買ってくださった方も複数いらっしゃいました。
これは、「スケッチジャーナル」への関心喚起と本のPR次第で、まだまだコミュニティが広がるという期待感を持たせてくれました。自分の創作が、誰かの「創作のきっかけ」になっている——これこそが、ジャーナルを続けてきた最大の意味だと感じています。
また、ハヤテノコウジの人生のアイコンを詰めた「オリジナル手ぬぐい」は、図柄の意味が伝わりにくいデザインだったにも関わらず、「可愛い」という反応をたくさんいただき、たくさん買っていただけたのも嬉しかったです。アートとしてだけではなく、グッズとしても受け入れられたことは、大きな収穫でした。
「スケッチジャーナル ビギナーズ(Amazon)」
突破口となった「マネージャー」という存在
今回の個展を成功に導く上で、友人でありマネージャー役を務めてくれた存在は欠かせません。10年ぶりということもあり、一人では踏み出せなかったかもしれません。
私のアート活動に興味を持ってくれた女子友が、「個展をやりましょう」と背中を押してくれたことから全てが始まりました。
彼女の最大の功績は、アーティストである私に客観的な視点を与え続けてくれたことです。
展示テーマや内容、方法についての冷静な意見
展示会場の選定やオリジナルグッズ(てぬぐい)の発注
チケット申し込み管理やアンケート準備など運営全般
彼女がいわば「バックエンド」の準備を一手に引き受けてくれたおかげで、私は作品制作という「フロントエンド」に集中できました。今回のように、自分のアート活動に興味関心をよせてくれるファンの方や、制作の材料を提供してくれる支援者など、スケッチジャーナルの普及活動を応援してくれる人たちと協業したいという思いがさらに強くなりました。
コンフォートゾーンを飛び出すきっかけ
二人でやっているという責任感は、準備完了まで遂行する強いモチベーションとなりました。そして、彼女のアイデアをすぐに取り入れたり、実践したりすることは、私自身の視点やコンフォートゾーンを超える行動へとつながりました。
私は創作を突き詰めますが、準備・運営をマネージャーとして手伝うことで「アート活動に参加できる」という彼女の思いに応えたい、という気持ちも大きな力となりました。今回の個展は、まさに二人三脚で掴み取った成功だと思っています。
この経験を糧に、これからも創作の楽しさを皆さんと共有できるよう、邁進していきます。本当にありがとうございました!
個展のテーマ「記憶の結晶」を体現するために作ったアクリル画
壁一面のアーティストの人生の記憶のかけらに、みんな夢中になっていた
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